■ われわれ生物に、
「生きる意味」 など無い? (1/2)








ふき は、

大きなショック の中を
ただよいながら、

ネック の 語る、
「3ヶ月前の話」 を、
聞き終わりました。







この、ちょっとイヤミくさいけれど、

どこか 中性的な
さわやかさ
を持った白猫が、

すでに ガン に おかされている…



そして もうすぐ、
自分の前から…

いえ、この世の中のどこからも、

キレイさっぱり
いなくなってしまう…




それは まったく信じがたい、

信じたくない事実
でした。










そんな ふき の、
うつむいたホロ苦い顔に
気づいた ネック は、


ちょっと困ったように
ほほえんで、

鼻で ため息をつきました。





そーんな シケたツラ
してんじゃないわよ、ふき


あー、はいはい。

じゃ、その 『 首輪 』
もらっときましょ?

ほれ、とっとと あたしの首に
着けてみなさいよ。





そう言って
首を伸ばしてくる ネック に、

ふき は ちょっと
ふるえる手つきで、

ピンクの愛らしい首輪
巻いてあげたのでした。












どれどれ?

キュートな あたしが、

さらに どんだけ
キュートになったかしら〜?





そんな事を言いながら、

軽やかに鏡の前に
歩いて行った ネック は、


その中に映っている
自分の姿を見たとたん、

それまでの軽口が
プッツリと止まったのでした…





…へえ。

こんな なんだ…


…ふーん。





そんな よく分からないことを
つぶやきながら、

鏡の中の自分を、
恥ずかしそうに
チラチラと眺めつつ、


ネック は 自分の首輪を、
愛(いと)おしそうに
何度も なでています…




ふき は もちろん、

ミューラーかみね も、

普段はサバサバしている
ネック が 見せた、
少女のような意外な反応 を、

寂しくも、ほほえましく
見つめたのでした…


    









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