■ ネックの望んだ 2つ目の願い (1/7)







秋の午後の公園に、

ゆるやかな太陽の光がそそぎ、


やや涼しくなった風が、

サラサラと敷地を流れていきます。









その風に耳をくすぐられて、

周りの地面から
一段高くなっている花壇の中で、

白猫 ネック は、
ポッカリと目をさましました。





しばらくは、
トロンとした目つきのまま
横になっていた ネック は、

やがて、

筆記体の S のような
形のノビをして、

チョコンと花壇の中に
座りこんだのでした。





あー、よく寝た…


さて…

今日は、何して過ごそうかなぁ。





これは、

ネックふき の家を訪れる、

3ヶ月ほど前 の お話です。





ここは、都心から少し離れた
ところにある公園



縦横が それぞれ
数100メートルもあり、

大きな池やグラウンドなどもある、
広くて おだやかな この公園は、

とても都内の それには見えず、

初めてフラリと訪れた人々を、
とても驚かせる場所です。




この公園の魅力の1つは、
人なつっこい ノラ猫たち
の存在です。


誰かに捨てられたり、
どこかから移り住んだり、

この公園で夫婦になった猫から
生まれた子供たちなど、

50匹ほどの猫たちが、

敷地内で ゆうゆうと
暮らしています。




この猫たちは、

近所の人たちから
ご飯をもらって生きているので、

人間を ほとんど恐れません。




見知らぬ人間と いっしょに
時間を過ごすことを、

ごく当たり前と考えて
暮らしている
のです。




そのため、

そうと知らずに訪れて
ベンチに座った人は、

すぐ隣のベンチや、
ときには同じベンチに、

当たり前のように
猫が寝転んでいたり、

ちょっと興味のある目で
こちらを見つめていたりするので
ビックリします。



そして、すぐそばにいる
人間の自分のことを恐れもせずに、

ゆったりとマイペースに
毛づくろいをしている猫たち

を見ているうちに、

なんともいえない、

とても安らかで、
おだやかな気持ちに包まれ…



この公園への再訪を
心の中で誓いつつ、

名残おしそうに帰っていくのでした。









さて、そんな気ままな猫たちの
1匹である ネック が、

公園の端にある
小さな林 の そばを歩いていると…



フイに頭上から、
おじいさん のような声が
聞こえてきたのでした。





おお、ネック ではないか?


久しぶりじゃなぁ。










[目次 に戻る]