■ ふき に 出された、最終試験 (1/3)







ふきネック
公園で会ってから、

気づけば もう、
2ヶ月ちょっと が過ぎ、

すでにカレンダーは、
「3月」 の半ば に なっておりました。



最近は、心地良く あたたかい
日の光が ふりそそぐ日も増え、

近づいてくる春を予感させます。




そんな ゆるゆる とした
日差しの そそぐリビングで、

今日も、ふき と 3匹の動物たち は、
まるく座って、語り合うのでした。





あたしが この家に
住むようになってから、

本当に いろんな事が
あったねぇ、ふき


あんた ご自慢の 「しあわせ」 を、

耳にタコができるぐらい
聞かされたり…





(「聞かされた」 って 言い方は
ないでしょうに…?)






ネック の 物言いに、

ふきが ちょっと
イヤな顔をしました。





私が こちらに
住まわせていただくように
なってからは、

ふきくん の 主張される
「しあわせ」 について

より深く再考
してみたり
しましたよね。





キツい経験もしたけれど、

たしかに ふき にとって、

「今までの自分を見なおす
キッカケになった、
有意義な時間」
でした。









わたしが こちらに
うかがってからは、

『 しあわせ や 良し悪し の
正体は、DNA の 生存本能 』


という お話が出て、
本当にビックリしました…





これは、本当にショックでした。


「複雑きわまりない」
と ばかり思っていた
自分たちの価値観の正体が、

実は、『 生きのびたい 』 という
たった1つの思いから生えている
さまざまな枝葉

に すぎなかったなんて…







自分たち人間は、
もっともっと高度な生命体だと
思いこんでいた ふき にとって、

この 「真実」 は、

真実なだけに、
ボディーブローのように、

日に日に、シンシンと、
心に こたえてくる
のでした。






さて、ふき…?


今さらだけど、
「あたしが この家に来た理由」

あんたは もちろん
憶えてるよね?





え…!?

も、もちろん…





そう言いつつ ふき は、

初めて ネック と 会った
夕方の あの公園のことを、

必死に思い出そうと、アセりました。









[目次 に戻る]