■ 本気で自分を大切にすれば、
進むべき道が見えてくる (1/6)








で、どうだった? ふき

『 DNA の 生存本能 』

って やつについて、

ジックリ考えてみた感想は?





うーーん、

なんというか…

ただ ただ、
ショック って 感じかなぁ。





ショック… と言いますと?





僕は、自分では、

自分の人生や将来は
結構 「しあわせ」 に 満ちた、

他の人たちと比べても
かなり 「マシな部類」 だ
って
信じきってたし…


人間は、他の動物に比べて、
圧倒的に凄いものだ
って
疑いもしていなかったんだ…





でも、

僕ら 生物が、
『 DNA の入れ物のようなもの 』
に すぎない
って知らされて、

たしかに 今まで自分は、
『 自分自身の生存本能 』 に
振り回されまくってたんだな… て、
事実に 気が付いちゃった
ら…


なにか もう、
自分自身を含めて、

一体 何を信じていいのやら、
分からなくなっちゃって…





ふき は、

自分が今まで信じていた
「しあわせ」 や、

「損得」、「敵・味方」、
「善悪や正義」
というものの正体が、


実は、DNA… 「生存本能」 という、

ただ 自分だけの生き残りを最優先する、
『 独善的な感覚 』 から生えた

「枝葉」 に すぎなかった
という事実が、

相当に衝撃だったようです…




すると、

腕を組んで うつむいている
ふき の 背中を、

ネック が 後ろ足で
ボイン! と 蹴飛ばしました。





あのねー、ふき

そーやって
ショックを受けたってことは、

少なくとも あんたが
「事実」 を 受け入れられるように
なった
ってことじゃんよ?


それって、

ふき成長 だって、
あたしは思うけどね。





成長…?





でしょ?

あんた、あたしが この家に
来たばっかの頃は、

あたしたちの言うことに
『それは違う!』
『そんなはずは無い!』
って

泣きごと言って
ばっかだったじゃん。






言われてみれば、

あの頃の ふき と、今の彼とでは、

感じているものが
違うように思えます。



以前の ふき の 感じていたのは、
自分の価値観を否定されたことに対する、
単純な、「怒り」 のような感覚
でした。



でも、今 感じているのは、

シンシンと胸にしみいるような
重い重い ショック
なのです。




それは、

ネックたち が指摘してきた
ふき の しあわせの持つ矛盾」 が、
たしかに真実である ことを、

ふき自身が、

少しずつですが確実に 納得 し、
学んだ 結果でしょう。






とはいえ、「それだけに」、
今 感じているショックは、

以前のように簡単には、
跳ね返したり、脱したりできない、

なにか 絶望的な気持ちに
ならざるをえないもの
なのです…








だから、ネック が めずらしく
ふき の ことを褒めてくれた
にもかかわらず、

ふき の 心は、晴れないのでした…









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