■ 健康である







ここまで、

ネック を相手に、鼻息荒く
「自分の幸せ」 を語ってきた ふき


ふき が普段から 「しあわせ」 だと
考えていた要素は、もう出しつくして、
「残弾0」 という感じです。




ただ、気持ちよく話してきた一方で、

ふき の中に、なにか こう、
漠然とした不安 が、
わいてきているのも確かでした。


これまで、どちらかといえば
自分を小バカにしてきた ネック が、

今回 あまりにも素直に
最後まで話を聞いてくれたのが
引っかかるのです。




もしかして、
「自分のターン」 は
ここまでで、

ここからは ネックさん の、
『怒涛の反撃ターン』
なのでは…??











そんな ふき の予想を
裏打ちするように、




今ので、

あんたの 「しあわせ」 は終わり、

ふき



と、念を押すようなことを言いながら、

ネック が 寝ていたソファーから
体を起こし、キチンと座り直しています。








「ヤバイ! なにか他に無いか?

自分の しあわせは…

誇れる しあわせは…」







そんな、慌てふためく ふき が、

最後に 本当に無理矢理
しぼりだした弾は…




け、け、け、健康!!


…でした。






ネック が、怪訝な顔つきで
ふき を見つめています…






そんな ネック の視線から
目をそらすように、

ふき は腕をふりまわして
主張を続行するのでした。





けけ健康こそは、しあわせの基本ですよ!


病気になっちゃったら、

学校にも行けない、会社にも行けない、
するとお金も手に入らないから、
貯金はできない、物も買えない、
友達や恋人も作りづらくなっちゃうし、
将来の夢だってかなえるのが
難しくなっちゃうでしょ!?


当たり前みたいだけど、
だからこそ大切なんですよ。

健康あってこその しあわせです!

健康バンザイ!!







大汗をかきながら
主張しているうちに、
意外にシヅシマが合って、

なにか 『今まで自分が語ってきた
「しあわせ」 の総決算』
のようになり、

ふき は自分自身で
ビックリしていました。










当初は怪訝な顔を
していた ネック も、

話を聞き終わると、
しばらくナナメ下を見ながら

あごの下を前足で
コリコリとかき、



なるほどねぇ…


と、ちょっと
考えこんでいる様子です。








これで、本当の本当に、
ふき の主張は出つくしました。



ネック は、ふき の しあわせについて、
どのような評価を下すのでしょうか…?




考えこんでいた ネック が、
顔を上げました。


いよいよ、「そのとき」 が来たようです。


  








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